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長谷川等伯「松林図」を彷彿させる名樹

長谷川等伯「松林図」を彷彿させる名樹

深遠なる盆上世界

長谷川等伯「松林図」を彷彿させる名樹
五葉松(根連り) 樹齢約180年
鉢 古渡南蛮楕円

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盆栽美の真髄を求道した数寄者が遺し受け継がれた樹は貴重盆栽に登録!


林立する細幹の旋律、揺れ立ちながら天空に広がる枝姿。

“肥培せず古感を重ねる”至芸が100年を超える培養によって真の盆栽美を有する唯一無二の作品を遺しました。


本樹は神奈川に在した愛好家 会田一松翁が世に遺したもので、翁の薫陶を受けた数寄者の手によって今まで受け継がれてきました。
あくまで自然なる立ち姿は人の手によって創られたものではなく、大自然の中より“山採り”で愛培されたものが、気の遠くなる刻をかけて自然と言う誰もが届かぬ至芸によって完成された樹と言えます。
対峙すれば人の心はその林中に逍遥し、「松」というものが持つ神韻の響きを感ずるに至ります。
まるでどこまでも続く深遠な森の中に己が身を置いた様な錯覚すら覚えるものがあります。
水墨画で表現された日本美を代表する絵画、長谷川等伯の「松林図」に感得するものがこの盆栽には顕在しています。
取りあわせられた南蛮楕円の稀少鉢もこの樹の雅と神韻を扶け、これが平成を代表するコレクター高木礼二翁の旧蔵品と言うことでも頷けます。
今春3月15日日本盆栽協会による「貴重盆栽登録審査会」において満票での登録となったことは、斯界の審美が健在している事を裏付ける出来事でした。
造形的な盆栽が闊歩し、“盆栽の真の美とは何か?”問う事すらが失われかける今、本樹の存在は次代に語り継ぐべき盆栽像の大切な一端を伝えています。
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