
初春の景趣
緋梅の床飾り
初春の景趣・緋梅の床飾り
主木 緋梅 約80年
鉢 南蛮丸
添 紫貴船茅屋石
掛物 「飛鶯図」(渡辺南岳 筆)
梅は新春、そして早春を物語る季節の盆栽の代表種です。
園芸的な艶やかな樹も楽しいものですが、
盆栽の梅の醍醐味と言えば、やはり
「冷気の中、古幹の老成した味わいをみせる樹姿に、僅かに生きる枝々に咲く、可憐な花。
そこに厳しい自然界が創り上げた “命” を感得する」
こんな精神性が尊ばれます。
静謐な空気を大切にした気品ある一席は、
“この花が咲く頃には、良き年となりますように”の願いも織り込まれています。
平安時代、京の都から九州太宰府に流された菅原道真。
都を想う有名な歌
「東風吹かば、においおこせよ梅の花、主なしとて春な忘れそ」
・・緋梅を天神様の“飛び梅“に準えて鶯の翔ぶ姿にもかけて、
初春の景趣、道真公のいにしえへの郷愁、
席中に広がる飾り心の世界は、無限です。