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初春の景趣・緋梅の床飾り

初春の景趣・緋梅の床飾り

初春の景趣

緋梅の床飾り

初春の景趣・緋梅の床飾り
主木 緋梅 約80年
鉢 南蛮丸
添 紫貴船茅屋石
掛物 「飛鶯図」(渡辺南岳 筆)


梅は新春、そして早春を物語る季節の盆栽の代表種です。
園芸的な艶やかな樹も楽しいものですが、
盆栽の梅の醍醐味と言えば、やはり 

「冷気の中、古幹の老成した味わいをみせる樹姿に、僅かに生きる枝々に咲く、可憐な花。
そこに厳しい自然界が創り上げた “命” を感得する」

こんな精神性が尊ばれます。
編集済み
この席飾りは、“初春”の景趣を梅盆栽を主木に設えたものです。

深紅の一重咲の「緋梅」掛物には寒気の中を翔ぶ一羽の鶯、
江戸後期の画家、渡辺南岳が遺した数少ない作品です。
半世紀を超える命が描く枯淡の樹相を示す老梅。
その足元には、鄙びた陽だまりの庵。
貴船石のくず屋石は、淡い紅紫を石肌に帯びているところが、
真黒質とは違う“温かみと長閑さ”を感じさせてくれます。
静謐な空気を大切にした気品ある一席は、
“この花が咲く頃には、良き年となりますように”の願いも織り込まれています。
平安時代、京の都から九州太宰府に流された菅原道真。
都を想う有名な歌
「東風吹かば、においおこせよ梅の花、主なしとて春な忘れそ」
・・緋梅を天神様の“飛び梅“に準えて鶯の翔ぶ姿にもかけて、
初春の景趣、道真公のいにしえへの郷愁、
席中に広がる飾り心の世界は、無限です。
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緋梅 約80年
鉢/南蛮丸

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「飛鶯図」 渡辺南岳筆